おいしさに「革新」を

ケーキは手作りでその日に食べるのが一般のイメージ。そんな中、私たちが取り組んでいるのは、大量に作り上げて長期間冷凍保存すること。解凍して食べる際においしく食べられる、新しいケーキの実現です。

試作の段階でおいしく作るのは当然ですが、問題はその後の量産です。生クリームもスポンジも、大量になると重みだけでも勝手が違います。あわせて難しいのが水分量のコントロール。しっとりふんわりが要ですが、ちょっとした気温の違いにも左右されます。
私たちはこうした課題をクリアして、今までにないデザートの流通を生み出しています。この世界では、原料レベルから量産に適した新しい素材が生まれています。すべてが日々進化しており、常に新たな開発のノウハウが求められます。

最近のコンビニデザートがおいしくなっているのは、こうした取り組みの結果です。寿司や焼き肉などのチェーン店でもナチュラルなデザートが出るようになりました。私たちが作るデザートの種類も充実してきています。形一つとっても、初期は三角ケーキだけでしたが、最近は四角や丸も手がけるようになりました。
とてもデリケートな商品のため、量産に入ってからも目が離せません。常に数値での管理もしていますが、なかなか安定してくれません。まるで科学の実験をしているようなところがあります。思うようにならないと、ついむずかしい顔になりがちですが、ケーキを怒って食べる人はいません。私たちも笑顔を心がけて取り組んでいます。